アレルギーっ子の集団生活
〜笑顔で入学式を迎えよう〜

 新入園、新入学はうれしい出来事です。でも、子どもにアレルギーがあると、集団生活に対する不安も尽きませんね。わが子の場合は、食事だけでなく、ほこりに花粉、動物にいたるまでアレルギーのオンパレードでした。 

 そんな時、あるアレルギーの会の先輩から、「入学前に校長先生宛にお手紙を書いたほうがいい。できればクラスと担任が決まる前に!ただの神経質なお母さんだと思われないよう、医師の診断書は必ず入れて。話し合うときはお父さんにもついていってもらうと対応が違う」とアドバイスを受け、さっそく入学予定の学校に連絡をして、校長先生と話をする時間をいただきました。

 手紙には、給食は無理なので弁当を持参したいこと、給食の配膳や動植物の飼育栽培、ほこりの多い場所の掃除などは避けたいこと、屋外で日光に長時間当たったり、プール活動は無理なこと、指定の体操着はアトピーのため着用できないこと、保健室に急な発作時の薬を置かせてほしいこと等、およそ考えられることで配慮をお願いしたいことをこと細かに書き出しました。

 直談判が功を奏したか、入学してみたら担任は学校でも保護者からの信頼の厚い、ベテランの先生。給食が食べられないこともじょうずにクラスの子どもに説明してくれましたし、給食当番は「出発!」という号令係。掃除は専門職として窓みがきを任命。合宿のカレー作りはけんちん汁にメニューを変更など、さまざまな配慮の中で、子どもは引け目を感じることもなく、安全な集団生活をおくることができました。

 また、率先してクラスのPTA役員になり、懇談会で保護者の方に事情を説明しました。朝の絵本読みボランティアにも加わりました。学校に通う機会も多くなり、ふだんの子どもの様子もよくわかります。担任以外の先生方やPTA仲間のお母さんたちの覚えもめでたく、みんなから温かく見守られて学校生活を送ることができ、娘はかえってラッキーだったかも。

 目が腫れたり、急な赤みやかゆみなどの軽いアクシデントは何度か起きましたが、「集団生活なんだからちょっとのトラブルはつきもの。命に別状がなければよし」と腹をくくりました。そんな娘ももう中学生。「アトピーやアレルギーが原因でいじめられたり、肩身の狭い思いをしたことは今までにない」といい、毎日楽しく通学しています。

 入学前の親の不安は、そのまま子どもに伝わってしまいます。「学校によ〜くお願いしたから、何にも心配はいらないよ。大丈夫!」と笑顔で式の日を待ちたいものですね。
(水谷 千佳)



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