内職するのにおカネがいるの?

 先日、全国的にあて名書き内職をあっせんし、保証金をだましとった業者が起訴されました。捕まってみたらなんとご近所さん。同じ小学校の学区内に住んでいたのね・・・

 私も実は以前、何度かこの件で相談電話を受けたことがあります。相談者は九州だの信越だのに住んでいて、交渉のらちが明かずに、思い余って業者の住所があるセンターに電話をしてきたというパターンです。「何か情報はありませんか」と言われても、何しろ地元からの相談はないんです。簡単には来られない遠隔地の人を誘うのが、こうした内職商法の手口ですから。行政で働く身としては他県の人の相談のあっせんには入れない。よもやサスペンスドラマみたいに、探偵もどきのことはできません。

 ほかにも、「旅行業の資格をとってチラシ配布」「パソコンのスキルをつけてデータ入力」、変わったところでは「雑巾縫い」に「折り鶴折り」まで、「子育て中でも家でもできる」をうたい文句に、電話勧誘やダイレクトメール、折込チラシなどで内職を誘うものは数多くあります。

 いまや求人情報誌ですらフリーペーパーが常識の時代です。保証金や登録料、教材セットやCDROMの購入などで、事前にお金がかかるものはまずやめたほうが無難でしょう。すぐには訪ねていけない遠方の事務所にも注意が必要です。新聞やタウン誌の広告といえども、信用できるという証拠にはなりません。
 仕事のあっせんをだしにして物を買わせたりする契約は「業務提供誘引販売」と呼ばれ、クーリング・オフ(無条件解約)期間は20日間とふつうよりも長くなっています。

 私も子育て中、近所の印刷会社の貼り紙を見てパソコン入力の内職をしていました。4文字入力して1円です。子どもが寝ている時間をすべて使って没頭しても、1ヶ月1〜2万円がせいぜいでした。子育ての合間に、簡単に高収入が得られるうまい話なんてないと思ったほうがよさそうです。
(水谷 千佳)



コラムトップへ



(C)2005 kosodate goods and life 無断転載・複製を禁じます。