幼児用学習教材

 今日は3歳の子どもを持つ母親が相談に来ました。家に突然来た幼児用学習教材の訪問販売員に、「この教材はとても楽しく勉強できるように作ってあります。これをやっていれば私立小学校の受験も大丈夫。塾に行かせるより安上がりだし、分割払いにすれば支払いも楽々」と聞かされてその気になったそうです。とても良さそうなので、勧められるまま小学校6年間分も注文することにし、書類にサインもしてしまいました。しかし後で落ち着いて考えると本当に使いこなせるか不安だし、高すぎるので解約したいとのことでした。

 さて、皆さんの家でもこのような勧誘の訪問を受けたことがありませんか?訪問販売業者は子ども用の自転車や洗濯物を目安に、販売対象の家をすぐに探し当ててしまいます。名簿を元に電話をかけた後、訪問することもよくあります。

 幼児用学習教材は、キャラクターを使ったり、ちょっとした玩具をつけたりして、楽しく学べるように工夫してある物が多くあります。ですから、実際にお子さんが興味を持って利用し、効果があることもあるでしょう。金額的にも見合い、納得し購入するのなら何ら問題ありません。ただし、このような教材は与えるだけでなく、親が一緒に学習に付き合う意欲と時間も必要になります。そして実際にお子さんが使ってみて興味を示さなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。また、数年先には教育課程が変更されることも考えられますので、長期間使える教材の契約は、止めておいたほうが無難です。結局使っていないのに、支払いはいつまでも続くことになるのです。

 今回のように、訪問販売で購入した場合には、8日間のクーリング・オフ期間が設けられています。幸い今回の相談者の相談は契約から8日間以内でしたので、クーリング・オフをすることができました。しかしその期間を過ぎると、法的に特別問題がない限り解約は難しく、消費者と事業者の直接交渉となります。
 子どもの教育のことになると親は弱いものです。親心をくすぐる巧みな勧誘には惑わされず、契約は充分内容を確認し納得した上で行いましょう。

☆迷った時、困ったときは消費生活センターへ
(飯倉 和代)



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