クリスマス
子どもが贈る、心をこめたプレゼント

 秋が深まると、世間は早くもクリスマス気分。クリスマスと言えばサンタとプレゼント。皆さんも、子どもからクリスマスプレゼントの希望をどうやってさぐりだすか、頭を悩ませていませんか?
 それは私も同じです。お店にこっそり探しに行って、バレない場所に隠して・・・。大変だけど、子どもが喜ぶ顔をみたくて、「サンタ」はクリスマスのずいぶん前から張り切ります。
 でも子どもは、モノだけちゃっかり手に入れてよろこぶだけ。贈り主の気持ちなど考えません。ある時、「子どもが心の中で願っただけでプレゼントを黙って持ってくるサンタって、お金のいらない自動販売機みたい」と感じたのです。子どもにとって、クリスマスは、子どもにとって、すごく都合のいい、刹那的な喜びの日になってしまっていませんか?
 
 そういえば、海外の本で読むクリスマスはちょっと少し違うみたいです。子どもからも大人にプレゼントを贈っています。
 『若草物語』では大事なクリスマスのごちそうを貧しい人に届けます。『大草原の小さな家』のローラたちは貧しくても両親や妹たちに、時間をかけて、心のこもったプレゼントを準備しています。
 もらった人は送り主からの深い思いやりを感じ、それを見て子どもたちも報われます。お互いが満たされる、とてもあたたかでな風景です。

 そこで、そんなあたたかい気持ちを子どもたちに味わってほしくて、私も子どもと一緒にプレゼントを用意することにしました。
 ポイントは、2つ。「あまりお金をかけない」けど「相手のために心をこめて用意する」こと。自分にも相手にも負担にならない程度の金額で、できるだけきれいに仕上げます。
 プレゼントは、ワイヤーにビーズを通してつくったオーナメントだったり、星やツリーの形の型抜きクッキーだったり、クリスマスカードやはがきを書いたり。赤、白、緑、金色のクリスマスカラーや、星型があればクリスマスっぽくなります。幼稚園の工作などは参考になりますね。
 送る相手は、お友達、家族、近所のおばちゃんなど、誰でもOK。いつもは言えない感謝の気持ちを伝えるのには絶好のチャンスです。特に、大人たちは自分がもらえると期待していないから、サプライズプレゼントをより喜んでくれるかもしれません。
 贈った相手からは子どもに、電話、メールやFAXで「ありがとう」という言葉をお返しにもらいました。子どもたちはそのメッセージを黙って何度も読んでいました。わたしからも、「サンタさんのお手伝いがすこしできたね」という言葉を贈りました。

 プレゼントをあげるには、相手のことをよく考えて選んだり、作ったり、いろいろ手間がかかります。でも、相手からもらう笑顔や「ありがとう」という言葉は、いつまでも子どもの心を温めます。 
 そして、クリスマスは、誕生日やほかのイベントと違って、誰にでも、誰からもプレゼントを送りあえる珍しいチャンスです。
 この機会を活かして、子どもと一緒に、「もらう楽しさ」と「誰かに喜んでもらった喜び」を一日でたくさん感じる体験をしてみましょう。きっと、子どもたちの心に残るクリスマスプレゼントになるでしょう。

私と娘の作品です。
  ビーズで作ったオーナメントです。
  ワイヤーを使っているので、星型や
  長靴型にもできます。
  平べったくて、封筒に入れて贈れるので、
  ラッピングも安上がり☆



【参考図書】
『若草物語』 L.M.オールコット著、矢川澄子訳、福音館書店
『プラムクリークの土手で』『シルバーレイクの岸辺で』
 (大草原の小さな家シリーズ) ローラ・インガルス・ワイルダー著、
 恩地三保子訳、福音館書店
『ペッテルとロッタのクリスマス』 エルサ・ベスコフ著、ひしきあきらこ訳、
 福音館書店  
 *『みどりおばさん、ちゃいろおばさん、ちゃいろおばさん』の続編です。
『クリスマスおもしろ事典』 クリスマスおもしろ事典刊行委員会編、日本キリスト教団出版局
『お金のしつけと子どもの自立−金銭感覚を身につけさせる50のポイント』 子育てグッズ&ライフ研究会編、合同出版

(小林三和子)



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