ハンカチに満足していますか?

 「ハンカチ持った?」。子どもが家を出るとき、こんな声掛けをするのが日課になっている家庭もあるのではないでしょうか。ハンカチは小さなアイテムですが、子どもの生活の中では、手を拭いたり汗をぬぐったりするためにと出番の多いものです。また、急な怪我には応急手当にも使えるので、いつでも持たせておきたいですね。
 そんなハンカチが実際にはどのように使われていて、何が望まれているのかをまとめてみました。
(当会が2005年に小学生を持つ親に行ったアンケート(N=205)を元にしています。)

<持っていますか?>
 「いつも持っていく63%」、「持っていくことが多い21%」と、ほとんどの子がハンカチを持つ習慣を身に着けていました。ただ、持って行きながらも使わず服で拭いている子どももいます。男の子の中には、使うと女の子みたいとからかわれる子もいるとのことでした。

<大きさ、素材は?>
 よく使っている大きさは、「子ども用のハンカチ(89%)」がほとんどを占めました。素材については、「普通の布ハンカチ(52%)」、「タオルハンカチ(44%)」、と、二分しました。
 自由解答で多かったのは、「普通の布では、一回使うとびしょびしょになってしまうので、タオルハンカチを使わせたい」。でも、「子どものポケットはタオルハンカチを入れるには小さくて入れづらい」という内容でした。確かに吸水性を考えるとタオルハンカチを持たせるのが理想的ですが、出し入れがしにくく、ポケットが膨らんでしまうのでは子どもも嫌がるでしょう。ただ、ポケットの大きさは、機能面からも手の幅によって決まりますので、子ども用はどうしても小さくなります。タオルハンカチがかさばるなら、「ハンカチは四角形」と言う概念にとらわれず、今のサイズの半分にした長方形のものがあると使い勝手がいいのではないかと思います。また使って濡れたハンカチは、授業中に机の脇にぶら下げて干しておくなどの工夫をすると、びしょびしょハンカチを少しは避けることもできます。「ガーゼハンカチ」をよく利用する子どもは1%でしたが、吸水性も高くタオルより乾きやすいので、子ども用がもっと市販されると使用者も多くなると思われます。

<どんな柄?>
 「キャラクター柄(65%)」、「キャラクター以外(無地、縞柄、チェック、花柄など)(31%)」という結果でした。自由回答では、「子ども用はキャラクターばかりで困る」という意見が多く、特に高学年の男の子に多く見られました。ポ○モンや○○レンジャーを卒業した子どもでも持てる、落ち着いた柄の子どもハンカチが求められています。

<名前を書きたい>
濃い色の柄やタオルハンカチには、名前を書きにくくて困るという意見もありました。ハンカチは落とすことも多いので名前ははっきりと書きたいものです。普通の布ハンカチなら名前が書ける白いスペースを作ってあったり、タオルなら名前記載用の布が縫い付けてあるなどの工夫がされたものは便利です。

<どんなハンカチがいいか子どもと選んでみましょう>
市販のハンカチには大きさや素材、柄などに種類がないため、それを当たり前のように買って使わせていますが、実際に意見を聞いてみると、子どもも大人も満足できていない面がある事がわかりました。たかがハンカチと思われ、もらい物ですませがちですが、子ども大人も納得できるハンカチはどんなものか、子どもと話し合って選んでみてはどうでしょうか。

ハンカチから始められる自立
 子どもにはハンカチを使わせるだけではなく、家族のハンカチのアイロンかけを任せてみたり、衣類を洗濯籠に入れる際に、ポケットからハンカチ、ティッシュなどを自分で出しておかせるなどの習慣を身につけさせたりすれば、家族の一員としての活躍のきっかけにもなるでしょう。
(飯倉和代)



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