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| 新型インフルエンザの感染が 広がっています |
4月30日に警戒レベルがフェーズ5に引き上げられ、5月9日にはついに日本でも新型インフルエンザの感染者が確認された新型インフルエンザ。季節性のインフルエンザと大きく異なる点は、高齢者よりも小児や若年成年層への感染が多いことのようです。また、持病を持っている人が重篤になりやすいという報告もあります。普段からバランスの良い食事と規則正しい生活を心がけ、体力を維持しておくことはインフルエンザに限らず様々な病気から身を守る基本ですね。  幸いにも今回のウィルスは弱毒性で重篤な症状になることは少ないようですが、鳥インフルエンザから変異すると思われるウィルスは強毒性で致死率も高く、自らの免疫が過剰反応を起こし、小児や若年成人等健康な人ほど重篤化する可能性も指摘されています。一方で、同じような症状を呈する季節性インフルエンザが、寒い季節を過ぎた今でも流行していることは驚きです。この機会を捉えて、どんなインフルエンザが流行しても冷静な対応ができるよう準備をしておくとよいでしょう。新型にせよ季節性にせよ、一般的に予防にはマスクの着用、手洗い・うがいの励行、外出や人ごみに行くことを避けることなどが有効だとされています。感染の予防、感染した時のために備えておくことを考えてみました。 1. マスク マスクはガーゼではなく不織布製のものを選び、一日を目安に使い捨てます。 花粉(約20〜30μm)より、ウィルスを含む飛沫の大きさ(約5μm)の方が小さいので、マスクは花粉用ではなく風邪対策用のもの、できればサージカルマスクなど、細菌を含む粒子（平均粒子径4.0〜5.0μｍ）を除去する割合が95%以上のものを選ぶとよいでしょう。(N95規格適合マスク(0.075μmの粒子を95%以上除去する)は、空気が通りにくく呼吸がしにくいため長時間の着用には適しません。) ただし、どんなに高性能なマスクでも、顔との間に隙間があるとそこからウィルスが入ります。プリーツタイプのマスクの場合、着けた後で形作るのではなく、まず鼻の針金部分を二つに折りプリーツをあらかじめ開いて形を作ってから顔に合わせる方が、隙間が少なくなりやすいです。また、顔が小さい子どもには、子ども用の小さめのマスクを準備しましょう。 2. 手洗い・うがい 手についた細菌を口に運ばないように、まず手を洗ってからうがいをします。 手洗いは、固形石鹸やハンドソープをよく泡立て、てのひら・手の甲・指の間・親指・爪の間・手首までごしごしこするように洗いましょう。充分にすすいで石鹸分を落とし、しっかり拭いて乾燥させます。タオルは湿り気が蒸発しにくいので、使い捨てのペーパータオルで拭くほうがより衛生的です。また、速乾性の擦式消毒用アルコール製剤を用いても、簡単に消毒ができます。 うがいは、いきなりのどの奥までガラガラせずに、まずは口の中だけをクチュクチュゆすぎます。こうすることにより、口の中の雑菌をのどの奥まで入り込ませないことができます。口の中をゆすいだ後、のどの奥まで水が回るようにし15秒くらいの強いうがいを2〜3回繰り返します。うがい水には、ぬるま湯や稀釈したうがい薬を用いますが、殺菌効果があるお茶を使うのもおすすめです。 3. 発熱した時は インフルエンザは飛沫により感染します。新型インフルエンザ感染者と接触すること(会話をする、共通の食器を使って飲み食いする、半径2m以内でくしゃみや咳をされるなど)がない限り、新型インフルエンザにはかかりません。発熱するまでの行動をよく思い出して、可能性がある場合は地域の発熱センターに連絡をしましょう。季節性インフルエンザなら、一般の医療機関を受診できます。 家族の中で発熱者が出た場合、感染者を別室に隔離する共に、看護者が感染しないようマスク・消毒液・使い捨て手袋などでしっかり予防しましょう。また、保護者が感染した場合子どもの面倒は誰が見るのか、中高生がいる家庭なら子どもでも準備ができる簡単な食事なども普段から考えておくといいですね。 新型インフルエンザか国内で流行し始めたら、外出がしにくくなるため、日常生活に必要なものを備えておく必要があります。食料品、日用品を中心に、地震の際の準備を参考にして考えるとわかりやすいかもしれません。赤ちゃんのいる家庭ではおむつやミルクなども忘れずに。 先日新型インフルエンザの感染疑い者が出た学校の近所に住む友人は、マスクの売り切れが続出しなかなか買えず困ったそうです。季節性インフルエンザの流行期間が長くなっているという指摘もありますので、今回の新型インフルエンザが弱毒性であることに油断することなく、この機会に情報を収集し家庭の事情に合わせた備えをしておきましょう。 |
| (藤原典子) |
