持たせれば安全?携帯電話 

 子どもをめぐる事件が多発していることから、夏休みを迎えるに当たり携帯電話の購入を検討したお母さんも多いのではないでしょうか。今、子供向けの携帯が続々と発売されています。そしていつでも連絡が取れる安心感が得られると思えば、多少の金額負担は仕方ないとする親が多くなっています。

 しかし、本当にそれは子どもにとって安全なことなのでしょうか。実際に携帯電話を持つことで、子ども達は離れている親と簡単に連絡を取ることが可能となります。しかし、逆にいえば、親以外とも簡単に連絡を取れるようになるということです。これは、子ども同士の過剰ともいえるメールコニュニケーションによる時間の浪費や、危険な誘惑にさらされる機会を増やすということにも繋がります。

 また、機種自体の金額もさることながら、位置情報サービスや子供向けのサイトの多くはそれぞれ有料サービスになっている場合が多いことはあまり知られていません。一度購入して与えてしまうと、継続して料金の負担が発生する携帯電話、店頭で子ども向けだから、かわいいから、安全そうだからと安易に購入せず、親が管理しやすいものを選択したいものです。また、多くの親が期待するGPS機能については、果たして、子どもの位置情報を知り親が安心感を持つことが、実際に子どもの安全確保に繋がるのか、もう一度考えてみる必要があります。

 携帯電話は無条件で与えてしまうと、大人が想像する以上、子どもにとって魅力的な遊び道具となります。実際にいつでも連絡がとれる安心感を得たいということであれば、インターネットに繋いでいない携帯電話を外出時だけ持たせるので十分です。出来ればゲームなども搭載しないシンプルなものがベストといえます。
(平野理華)



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