楽しく安全な公園を作ろう
<鉛ガイドライン塗料編>

 みんなが集う公園は、子どもを運動させたり、気分転換の場など、大切な役割をになっていますが、中にはタバコの吸殻、ゴミやペットの排泄物などが落ちており、子どもにとって危険がいっぱいです。また、遊具に使用されるペンキについて、近年、中に含まれている化学物質が、子どもたちのアトピーなどのアレルギーの増加を生んでいる原因と疑いがもたれています。

 東京都環境局による平成14年7月15日付化学物質の子どもガイドライン(鉛ガイドライン塗料編)によると、鉛は、神経に影響を及ぼす有害な化学物質といわれており、特に成長期の子どもにとって注意すべき化学物質です。
 わが国における子どもの鉛への曝露量を食品、大気、水質、土壌などの含有量等から計算すると、FAO(世界食糧機構)/WHO(世界保健機構)が設定した暫定週間耐容摂取量をこえる恐れもあります。
 建物などの下地塗りで使われている赤色の錆止め塗料や、学校、公園のブランコ、鉄棒その他の遊具に使用されている遊具の黄色やオレンジ系の上塗り塗料では、比較的多くの鉛化合物が含まれているものがあります。
 また、小学校、保育園、幼稚園、児童遊園等、比較的子どもが長時間滞在する施設では、施設管理者が、「遊具や建築物の塗料には、鉛フリー塗料を選定し使用してください。」と注意を促しています。

 皆さんが、普段利用している公園の遊具をチェックしてみませんか。錆びていたり、ペンキがはがれていたら、その遊具は鉛が含有されている塗料を使用している可能性があります。
 特に小さい子どもは汚れた手を指しゃぶりしたり、そこらじゅうにあるものを口に運ぶ危険性があります。

 一例ですが、ここに私の実体験談を紹介します。
 昨年、自宅近くの公園のペンキが色あせ、錆びているのが気になったので、公園に施設管理者として明記してある連絡先へ、遊具に塗られているペンキが鉛フリー塗料であるかどうかを問い合わせたところ、施設管理者としては実態を把握しておらず、改めて調査をし、連絡をくれるとのことでした。施設管理者の調査の結果、そのペンキの材質が鉛含有であったということが判明し、すぐに、鉛フリー塗料のペンキに塗り替えられました。

 ペンキの塗り替えによって、その公園はより安全に、また見違えたように、きれいで、色どりが豊かになり、寂しい公園から楽しい公園に生まれ変わりました。そして気がつくと、そこで遊ぶ子ども達が以前より増えていました。いつも利用している公園へ行ってチェックしてみましょう。どんな小さなことでも気がついたら、できるだけ早い時期に、施設管理者へ連絡してみることもお勧めします。皆さんの周りの施設も、より良く変わるかもしれませんよ。



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