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20年前のミシン、 修理に出してみました |
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愛用していたミシンの調子が悪くなりました。 子どもや自分の洋服、幼稚園や学校に持たせる袋もの、カーテン……などなど、結婚以来、私たちの生活には欠かせないさまざまなものを縫ってきたミシンです。最近では、中学生になった娘もミシンがけが上手になり、親子二代で使っていたのでした。 ロックミシンと直線&ジグザグの両方が一台にまとまった、とても縫いやすくしっかりしたミシンでしたし、実家のミシンは30年以上使えているので、買い替えではなく修理をしたいと思いました。 1. うちのミシンはこんなミシン
刺繍ができるコンピューターミシンとどちらを買うか迷いましたが、実用的なものを作るほうが多くロックミシンが欲しかったので、こちらを選びました。 デニムのような厚手の生地もすいすい縫えるので、ジーンズの裾上げもOK!また、布送りが正確なのか、ローンのような薄い生地もきれいに縫えます。 2. ミシンの調子が悪い 厚手の生地も薄手の生地も快適に縫えていたミシンなのですが、20センチくらい縫うと上糸が釜に絡まって縫えなくなってしまいました。また、ロックミシンは上下の糸が上手く引っ掛からず目が飛んでしまうようになりました。 3. 修理か買い替えか 「ミシン」というと、「販売方法は大丈夫かしら?」と不安を持ってしまう私。製造メーカーの修理部門なら大丈夫だろうと思い、市内のジャノメの支店に電話をしたところ、「直るかどうかにかかわらず点検代が3,675円(税込)必要。持ち込んでも料金は同じで、納期もかわらない」と言うことだったので訪問するようお願いしました。 点検の結果、ロックミシン部は調整だけでよくなる可能性が高いが、直線縫い部は釜がゆがんでおり部品の交換が必要だということでした。ただし、製造から20年以上たっているので部品はないとのこと。ロックミシン部が直っても直線縫い部が使えないのなら買い換えたほうがいいのではないかと、現在発売されているミシンのパンフレットを渡されました。 購入するとなると、15万円から20万円の出費になります。すぐには決められないので、いったん帰ってもらいました。しかし、実家では、母が頼まれて洋服を作るくらい、我が家より断然使用頻度が高いにもかかわらず30年以上同じミシンが使えているので、やはり修理をしたいと思いました。 4. 修理店を選ぶ 「修理に出す」といっても、ミシンの修理店なんていったいどこにあるのかもわからないし、場所が分かったとしてもはたしてきちんと修理してくれるのかどうか…。 そこで、インターネットを使って探してみました。すると、県内に専門の修理店を発見。ホームページでは、修理の実績が写真と詳しい解説付きで数多く紹介されていました。うちのミシンより古そうなものも、きちんと直っていることがわかりました。また、事前に見積もりをもらいこちらが納得してから修理に入ることなどが丁寧に説明されていました。 さっそく電話をすると、具合の悪いところの簡単な聞き取りと見積もりに出すための発送方法の説明がありました。とてもていねいな対応だと感じたのでこの修理店に決め、とりあえず見積もりをお願いするために、聞いた通りに梱包をして宅配業者に引き取りに来てもらいました。 5. そして、修理に
点検の結果は、直線縫い部は調整だけで直る可能性が高い、ロックミシン部は糸調子機の交換が必要で、全体のオーバーホール代18,000円とロックミシン部の修理代8,000円に送料と消費税がプラスされるということでした。 点検結果がメーカーと違いましたが、ホームページで紹介されていた実績や点検の様子から、こちらの方が信頼できると判断しました。また、必要な部品は中古ミシンで使用されていたものを使うという説明を聞き、部品調達の疑問も解決できたので修理をお願いすることにしました。 6. ミシンが帰ってきた! そして待つこと約2週間、待望のミシンが帰ってきました。修理代金は、見積もり通り、修理代+送料+消費税で28,350円。 さっそく開けてみると、梱包の一番上に感謝の言葉が書かれたカードと一緒に布製のかわいいチューリップが添えられていました。また、ミシン全体がきれいに磨かれピカピカになっていました。フットペダルのカバーまできれいになっていたのには、感激しました。こんなにも丁寧に扱ってくれたのかと思うと、本当に嬉しくなりました。
ところが、実際に縫ってみたところ、ロックミシンは快適に縫えたのですが、直線縫いをするとやはり糸が絡まってしまいます。以前より長く、40センチくらいは縫えるのですが、同じ症状が出てしまいました。 7. その後の対応 そこで、修理店に電話をしたところ、修理を終えた後にはテスト縫いを十分に行っていることの説明を受け、「針先が丸くなってしまっていると、このような症状が出ることがある。一度、針を新しくして試してもらえないか」と言われました。思い当たる節もあったので、針を変えて縫ったところ、以前の快適な縫い心地になりました。 修理店の説明はとても丁寧で納得のいくものでしたし、「半年間の保証をつけているので何かあったらいつでも連絡してほしい」との言葉に、修理に対する自信と真摯な仕事ぶりを感じ、お願いして本当によかったと思いました。 ![]() 電化製品が壊れたら、メーカーの修理部門に依頼することがあたりまえだと思っていました。しかし、メーカーとは全く関係のない修理店だからこそできる修理があることがわかりました。 電化製品の部品の保管期間について法律に定めはなく、メーカーに任されています。今回のように、「部品がないから買い替えを」というのはメーカー側の論理であり、「修理をする」という選択もできるのが消費者主導のあり方ではないでしょうか。次々に発売される新製品を使うのも一つの方法ですが、愛着あるものを修理しながら長く使うこともまた、「もの」との付き合い方の一つだと思います。 |
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(藤原 典子) |