お金のしつけ その2
 前回に引き続き、お金に関する苦い体験の二つ目は息子の事です。

 小3の息子がこの春、お小遣いが欲しいというので、1ヶ月300円にして何に使ったか報告させることにしました。そうしたら、もらって2,3日で全部ゲームカードに使ってしまったのです。「でも、お小遣いがなくなったら買えないわけだから」と放置していました。ところが、息子は友達や4年生の男子を交えて店に通い出し、その子たちの買ったカードが「ザコ」で不用となると、貰い受けていたのです。

 中でも特に大事にしているカードがあり、「どこで買ったの」と聞いたら、嬉しそうな顔をして「M君(4年生の男子)にもらった。これ、3800円するんだって」と言うではありませんか。確かに店には、ガラスケースに入ったプレミアムカードが飾ってあり、1万円以上の値段がついているのまでありました。

 「でも、子どもがそんなにお金をもっているはずがない。何かの間違いだ」と思い、「子ども同士でカードをもらったりあげたりしては駄目だよ。これはみんなお父さんやお母さんが働いて買ったんだから」とだけ話して、カードを返させました。

 「ねえ、気になることがあるんだけど」と、そのレンタルビデオ屋でアルバイトをしている知り合いに声をかけられたのはほんの1週間ほど前のこと。「あの、M君が小学校の友達にカードを買ってあげてるんだよ。それも、数千円もする高いカード」と言うのです。「お金どうしたの、と聞いたら、おばあちゃんがくれた、って言うんだ。一緒に来てる子の中には断る子もいるけど、中には買ってもらう事が当たり前みたいになってる子もいるよ」と当惑顔でした。うちの子かとビックリしましたが、よく聞いてみると、息子の同級生とのことでした。カードを買ってあげる4年生と、買ってもらう3年生。お金を使って良い気分になれて、お互いに楽しいのでしょう。しかし、そのお金は誰かが働いて得たものです。何にも苦労せず、何も考えず、使って良いわけがありません

 私は慌てて息子の同級生の保護者に連絡し、対応を考えました。まずは子どもだけでそのお店に入らないよう、注意すること。後はM君の保護者にこの件をお話して、一緒に考えてもらおうという事になりました。

 その後、M君本人に「数千円のカードを買ったこと、お母さんは知ってるの?」と聞きました。「うん、知ってるよ。お小遣いだから良いって」驚きつつも私は「無駄遣いしちゃいけないよ」とついお説教してしまいました。その後、M君のお母さんとも話す機会があったので「子どもにしては高額の買い物なので心配になって」と聞いてみたら「ええ、知ってますよ。お小遣いで買ったんでしょう。却ってご迷惑をかけたみたいですみません」という返事でちょっと拍子抜けでした。

 息子とは、そのカードが本当に欲しいものなのかどうか、また、お小遣いをすぐに全部使ってしまっていいのかどうか、じっくり話し合いたいと思っています。

 これらの経験は私にとっても、お金の管理のしかたや価値の見出し方を考える良い反省材料となりました。今後、労働してお小遣いを得るような仕組みも考えてみます。
(あきあかね)



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