お金の「ケジメ」は親子から 

 盗みや万引きなんて、うちの子に限って・・とは、どのお母さんも思うもの。でも、子どもの盗みは、お店からとは限りません。

 小学5年生のA君は、家のお金から2万円盗んで新型のゲーム機を買ったそうです。見たことがないゲーム機で遊んでいるのを親が見つけて発覚。びっくりして学校の先生に相談したそう。6年生のB子さんは母親がリビングの引き出しに置いていた財布から5千円抜いていました。それが2〜3回続き、おかしいと思ったお母さんははじめピッキング泥棒かと、玄関の鍵まで交換したというオマケつきです。「実はうちも・・」というお母さんも、けっこういるようです。

 親としては、「欲しいものや必要なものは買ってあげているのに、なぜ?」とショックに感じますが、反対にそれが原因だったりするのです。親が子どものものを日常的に買い与えることが続けば、親のお金の一部は自分のお金と同じこと。「親のお金を盗んだ」という罪悪感などなく、子どもにとっては「親に黙って買った」程度のことかも知れません。

 子どもをどろぼうにしない第1の秘訣は、「たとえ親でも人のものやお金を黙って盗るのは悪いこと」と、当たり前のことでもきちんと言葉にして教えることです。第2は、子どもが自分で考えてやりくりできる額を定額のおこづかいとして渡すこと。そして、足りなくなっても心をオニにして我慢させましょう。第3は、家のお金を子どもがすぐ手にとれる引き出しや、リビングに置きっぱなしのバックの中などに入れておかないこと。家計簿をつけるとなおよいですね。親がお金を大切に扱い、しっかり残金を照合している姿を見たら恐れ多くてとてもそんなことはできません。

 お金のトレーニングも自転車と同じ。大きくなったからといって、練習しなければ自然に乗り回せるようにはならないものです。交通ルールを教えるように、お金と世の中のルールも、家庭から身につけさせてやりたいものです。
(水谷千佳)



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