子育てしやすい住まいづくり
〜間取り編〜

 転居シーズンです。家を新しく購入、または住み替え、リフォームされた方も多いかと思います。我が家も一戸建てを購入しました。子育てという視点からの新居の間取りなどをご紹介します。

■和室はいる?いらない?
 リビング、ダイニングの隣に和室がある家は多いでしょう。ただその和室がなんとなく置き場所が定まらないもの、引き出しにしまう前の洗濯物の一時置き場など、とりあえずの収納場所になっている、というケースは知人、友人からよく聞いていました。和室の畳でごろ寝する心地よさにも惹かれたのですが、畳は子どもがダニ、ハウスダストアレルギーということもあり、思い切ってやめて、その分リビングを広くすることにしました。広くなったリビングの一角にカウンターをつけ、本棚やパソコンを置いて家族書斎として使います。

■子ども部屋
 最近流行の子ども部屋を作らない、もしくはドアをつけずにオープンにする間取りにするかどうか迷いました。最終的には、子どもの成長、自主性などの面からも子どものためのある程度仕切られたプライベートスペースは必要だと考え、2階に2人分の子ども部屋を作りました。ただ、子どもが独立していずれ家をでていく可能性を考えると、子ども部屋が必要な期間は10年ちょっと程度と、案外短いものです。ですから部屋を2つ作るのではなく、1つの部屋に仕切りとして可動式家具を置いて、子ども部屋が要らなくなれば家具を移動させスペースをその都度作りかえられるようにしておくのも手だったと今は思っています。また、可能であれば子ども部屋を2階ではなく1階のリビングの隣に作ることができれば、仕切りがあったとしても子どもの気配を感じやすかったかもしれません。

■リビング収納
 家族が集まることの多いリビングは、こまごまとしたもの(子どもの宿題、おもちゃ、郵便物、雑誌など)がたまりやすく、気がついたらリビングや食事テーブルが散らかって片付けにストレスを感じていました。家族それぞれの自発的な片付けを促すためにも、リビングに収納場所を取って片付場所を指定するとリビングの散らかりが解消でき、急なお客さまでもあわてません。

■ 玄関収納
 玄関の靴入れは50足分入るくらい確保しましたが、靴以外の収納スペースを取るべきだったと感じています。部屋の中の収納には入れないで玄関先に置いておきたいもの、例えばベビーカーや子どもの遊具(サッカーボール、バットなど)の保管場所がありません。できれば見映えの面からも避けたいのですが、近い将来庭に物置を設置する必要があるかもしれません。

■ 水まわりの配置
 キッチン、お風呂などの水まわりは北側に配置しましたが、湿気がこもりやすく、冬は寒いので居住性が良いとはいえません。最近は子どもと一緒に料理する機会が多くなり、キッチンにいる時間が思いの外長いのです。スペースなどが許せばキッチンだけは南側へ配置すれば快適でした。
脱衣所には少しこだわりました。3畳ほどスペースを確保して、クローゼットも置きました。帰宅して玄関→洗面所で手を洗う→脱衣所のクローゼットに鞄など荷物を置いたり、着替え、という動線を考えた配置です。クローゼットが2階にあると、つい面倒で鞄や上着などをを玄関近くやリビングにとりあえず置いて、玄関やリビングが散らかることが多かったからです。また、前の住まいの脱衣所が狭く、子どもたちが裸で十分体を拭かずにリビングを通って着替えを取りに行くので、お風呂の後いつもリビングの床がぬれて滑って転んだりするのが悩みでしたが、今は広い脱衣所でくつろげます。
洗濯物干し棒も脱衣所の天井につけて、部屋干しが必要な場合のスペースとしました。

■ 階段など
 子どもが帰宅してから2階の子ども部屋へ上る時にリビングを通るようにと、階段をリビングへ配置しました。リビング階段は、冬の場合リビングの暖かい空気が2階へ逃げてしまうという話を聞いたのですが、最近の住宅は気密性が高いためか今のところ心配するほどではありません。
ただリビングに階段があるので、やや圧迫感があり実際の広さよりもリビングが狭く見えるおそれがありました。それを解消するために、階段に手すりをつけないなど意匠を凝らした階段が多くなっているそうですが、子どもがまだ小さいので転落などの危険があります。そこでオプションになりましたが、アクリル樹脂の透明な手すりをつけました。これなら安全は確保しつつ、透明なので開放感もうまれました。

 よい住まいをつくるためには雑誌などでの情報収集は必要ですが、心地よいと感じる住まいは人それぞれです。その人が慣れ親しんだ生活習慣は、家を新しく住み替えたから変わるというものではありません。生活習慣を家に合わせるのではなく、家を自分の生活習慣に合わせて住み心地良いものにするほうが大切だと思います。自分や子どもが日々どのように暮らしているか?今後どのように暮らしたいか?を家族で話し合って、一番気持ちよい住まいをつくってみましょう!
(河尻 和佳子)



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