学校のお金 どのくらいかかってる?
対象:小学生の保護者
 今回のテーマは、修学旅行や林間学校などの「学校でかかるお金」について取り上げ  ます。実は、私の息子の小学校で林間学校のお金が業者に慣例的に水増しされていることが発覚し、ニュースや新聞などで大々的に放送されました。ことの発端はひとりのお母さんの素朴な疑問からだったのですが、私自身学校でかかるお金について無関心だったことを大いに反省させられる出来事でした。皆さんは学校でかかるお金についてどのようにお考えですが?まずは簡単に経緯を説明しましょう。

 林間学校(2泊3日)の説明会の際、近隣の小学校よりお金が高いことに疑問をもった、あるお母さんがインターネットで調べるとほぼ同じ内容が1万円台ででていた。(最初の林間業者提示額は3万3千円程度)
個々の明細の内訳説明が不明瞭で、また内容を調査すると二重取りや水増しが発覚。話し合いの度に、次々に見積もり金額を安くしてきたり、説明も二転三転しました。この段階で学校が20年間同じ業者を使い続け20年間「契約書」がなかったことが発覚。
 旅行には、旅行費用実費+旅行取り扱い手数料(旅行業者の利益)とする企画手配旅行と、パックのように明細をださずトータル料金のみ表示する包括特約があります。当初旅行業者は金額に誤りがあったということで返金するとの回答でしたが、その後慣例的に「包括特約があった」とし、従って過去の払い戻しはしない、明細も明らかにする必要はないとしています。
 H.R.(小学5年生・小学2年生・千葉県在住)

 さて、前置きが長くなりましたが、この件をテレビ朝日が大々的に取り上げたのは、実は学校現場ではこのような業者との馴れ合いが全国的に多いのではないのかという視点からでした。みなさんはこのような学校に払うお金で疑問を感じたことはありませんか。
また、この問題にかかわって初めて、林間学校でフランス料理ワイン風呂体験をした小学校があるという現状を知りました。先生達が直接拘わらず、業者のお任せパック旅行状態が増えているような気がします。


 I・K(小学6年生・小学4年生・大阪府在住)
 ちょうど、11月1~2日に6年の長男が修学旅行に行きました。1泊2日、広島への旅です。見学地、内容は、広島平和記念公園(平和学習)、蒲刈島(自然に触れ藻塩つくりを体験する)です。費用は19450円
内訳)JR 6120      バス代 4150     宿泊 7140
入場料、活動費 1000    昼食代  840     旅行災害保険 200
他の学校と比べたことがなかったので、周りの学校が気になるけど、なんだか聞きにくいです。みんながそんな風に思って、疑問を確かめようとしないから、問題が起きるんでしょうね。そうそう、おみやげ代として、小遣い3000円以内を持っていけます。今までの遠足や、林間学校ではまったく小遣いを持っていったことがなかったのに、6年でいきなり3千円持たせるのはどうかなとも思いました。お土産を買うのは、宿泊先の売店でだそうです。宿泊はうちの小学校だけなので、子どもが土産として買いやすいものを並べてくれるということです。私のときは、4年生くらいの遠足から、300円くらいの小遣いを持って行けていました。
夫は小学校で小遣いを持っていった記憶がなく、修学旅行の土産は行く前にお土産リストを渡され、それの中から選んで注文し、学校に戻ってから品物を渡されたそうです。ついでに、旅行日数についても。うちの小学校では5年の林間学校は1泊2日ですが、職場の先輩のところでは、4泊5日です。ずいぶん違いますよね。
 
 H・R 
 お小遣いの金額も、学校によって随分と違いますね。お土産リストから注文というのは驚きです。お小遣いをやりくりするとか、商品を吟味する機会をもつという本来の体験学習の意味がないような気がします。失敗やトラブルを回避ばかりに走ってしまうとそうなってしまうのかな。そういえば今回の林間学校の時も、おやつ持参禁止でした。なんでも過去に夜など食べてはいけない時に食べた事例があるからと。親としてはそういうことも含めて皆で考えるひとときを持ってほしいと思うのですけど皆様はどう考えますか。
 

 F・N(小学5年生・小学2年生・神奈川県在住)
 うちの学校では、4年生で横浜市内の公共の研修施設(一泊二日)、5年で伊豆の神奈川県の研修施設(二泊三日)、6年で新潟安塚の農家に民泊して農業体験(二泊三日)の体験学習があります。
近所の学校に比べて、泊数も多く、内容も充実しているようです。その分、費用も高いです。費用は、4年生 6000円くらい、5年生 12000円くらいだったと思います。 6年生の修学旅行の費用として、5年生の9月から毎月5000円ずつ積み立てています。修学旅行には、5月に行くので、多分費用は30000円くらいかと思います。小学校の修学旅行としては高いと思うけど、新幹線代だけでも東京←→長岡の往復で9000円くらいかかるので、まっとうな金額だと思っています。
うちの学校は、学年費などの決算報告も比較的きっちりしていると感じています。先日は、校外学習(横浜市主催のコンサート)の決算報告を持って帰りました。コンサートの代金は横浜市が全額支払っていますので、決算報告といっても地下鉄の交通費のみですが。それをみると、引率の先生の交通費は児童の経費に上乗せするのではなく、別の所から(先生個人が出したのか、学校の経費として学校の会計から出ているのかわかりませんが)出ていました。(宿泊学習の時には、先生の下見の経費も明細に載っていて児童の頭割りで負担していたので、違和感があります。)
また、最後に「上記の決済に関する帳簿類につきましては、保護者の代表の検査および承認を受けています。」という一文がありました。この旨の文章は、決算報告には必ず書いてあります。
「だから不備がない」ということなのか、「もし不備があっても共同責任」ということなのか・・・
今回のような「事件」を防ぐためには、保護者が学校に関わることかなと思います。遠回りのようですが、しっかり自分の目で見て、疑問はどんどん出してみる。「子どもを育てていく」という共通の課題を持つものとして、関係を築きながら、話し合えるようになれるのが理想かな・・・あくまでも「理想」です。                              
  
 K・T(中学3年生・小学6年生・神奈川県在住)
 6年生の娘が日光に修学旅行へ行きました。1泊2日で17000円でした。
びっくりしたのは、現金一括集金だったこと。大金なので修学旅行の説明会に親が持参することになっていたのですが、娘は説明会があることを私に言い忘れて、その日に持参できず、翌日娘が大金を持参していくことになってしまったのでした。他にも説明会に出席できなかった家庭は子どもに持たせたそうです。
それに結構な額なので、一括集金は家計にも響きます。どうして積み立てなどをしないのか、とても不思議です。他の家庭では困らないのでしょうか。
お小遣いとしては、一応3000円ということでした。子どもにこんなにお小遣いをわた
したことないのに、変ですよね。ま、こまごまとお土産などを買っていたらほとんどつかってしまったようでしたけれど。
おまけですが、中学生のこともついでに。
川崎の公立中学校では京都に2泊3日で行きます。費用は約5万から6万くらいだと思いますが、一年生のときから積み立てをしているので急な出費はありません。お小遣いは1万円程度を持っていく(はっきりとは決まっていないし、グループ行動時の拝観料や昼食代を含んでいる)子が多いようです。その他下着やらなんやらを新しくするのでそれなりにかかりましたが・・・
学校の費用については、小学校ではプリントを先生が作ったりしないで、市販のテストやドリルなどを使います。そしてその費用はしっかり請求されます。私の時には、今は懐かしいガリ版で先生がプリントを作っていたのですけどね。工作などの材料も学年一括で購入してということが多いです。同じものの方が先生は指導しやすいのでしょうけれど、なんだかなぁという感じです。
  
  
K・M(中学1年生・小学5年生・小学2年生・茨城県在住)
 皆さんのご意見、確かにそのとおりですよね。
私は、今までもっとも納得いかなかったのが、学校指定の体操服です。長袖長ズボンのジャージのことです。デザイン指定で購入は自由ですが、疑問に思ったのでいろいろ聞いてみました。
・ 小学生については、成長が早くて、6年間ではサイズが3種類くらいは必要。
・ 価格がいまどきの服の値段の何倍もする。(上下あわせて7000円位)
・ 裾がダボダボなデザインなので運動には向かないのではないか。
そこで、市販のジャージではだめかと聞いたら、高価なものを買いたがるからだめだそう。
体育で着たものは不潔なので着替える習慣も必要だと言われました。
また、かぶるタイプの為中に半そでを着ていても、体が温まったら脱ぐと先生は言っていたりしますが、そんなまめなことをするこどもはあまりいないようです。
以前に修学旅行にそろえるという話があって制服の意味も持っていたようですが、このごろは私服でいいようになりました。
そんなこんなで購入せずに、冬場も半そで半ズボンで体育をさせる家庭も多いのですが、雪の日なんて寒そうでかわいそう。見かねて、担任の先生がジャンバー着てOKの許可を出すこともあるようです。
私があまりに反論するものだから、「じゃあ、いいですよ」(子供が大勢いて経済的に大変なのですねと思ったのでしょう)と言われ一度市販のジャージを持たせたことがありました。結局こどもが嫌がってそれも着ずに、去年は3人とも半そで半ズボンで体育をやっていました。なんかポリシーというよりも、貧しい感じです。いまだに納得いかないのです。フリースのトレーナーとかでいいと思うのですが、ほんとに頭固いのです。
購入した人でも、ほんとに寒い時期だけしか使いませんので、年間で十数回の着用ではないかと思います。
 
 H・R
 体操服だけでなく、制服や学用品など学校指定のものは割高ですよね。写真なども。激安を求めているわけではないのです。ただ、もう少し一般の市場を考慮した価格設定にしてほしいですし、複数の見積もりをとって透明性を確保してほしいものです。
  
 
 M・C(小学6年生・小学4年生・石川県在住)
 名古屋、山形、金沢と3つの地方都市の小学校を経験していますが、お金に関してはほんとうにさまざまでした。県民性とか、土地柄があると感じています。
名古屋は一番お金にはシビアでした。毎月ドリル代400円、などと明細もでて金額もわずかなもの。体操服は市販のものにゼッケンをつければよく、娘はアトピーがひどくて市販のものさえ着用できず綿の丸首シャツを裏返したものとカットソーのハーフパンツをはかせていました。算数セットでさえ、出席番号がかかれたものが配布され、教室据え置きで使っていたような覚えが。特にお金がかかったという記憶はまったくありません。
山形が一番集金額は多かったです。
教材費は毎月1500円の定額集金で、あとで報告があるというもの。卒業関連の支出として、修学旅行代や卒業アルバムの積み立てもありました。転校するとき、一括で返してもらいましたが。給食の白衣や三角巾も個人で購入。体操着も指定で、山形は何しろ寒いので長袖は必需品。娘は校章の部分だけ100円で買い、綿スエットの上下に縫い付けて着せました。息子のときはママ友だちがお下がりをくれたり、転校する子がおいていってくれたりして集まってきたので、きれいなものを選んできせました。体育では校庭でスキーもやるので、スキーセットも時間差で借りてしのぎました。
 ママ同士のネットワークってありがたいわ〜・・・給食で、なぜかアルミのお盆とごはん用の弁当箱も指定されたものを個人購入で、校長に聞いたら、地域でアルミ職人の老人の方がいて、その方に納入してもらっており、仕事が生きがいになっているので学校が協力してあげたいのでといわれました。
金沢は名古屋に準じていますが、
 ここで納得できないのがPTA会費。名古屋や山形の3〜4倍はする。役員の打ち上げなどで使途があきらかにされない部分もあります。6年の修学旅行はなく、かわりに能登の少年自然の家で二泊三日の体験合宿。費用は8000円程度で負担も軽く、子どものこづかいは全員なし。特に娘はシーツも食事も持ち込みだったので施設が特別に日帰り扱いとしてくれ、バス代3500円だけですんでしまいました。
 ある校長の話だと、子どもが贅沢になっている反面、給食費が未納の家庭も増えているそうです。公立では、家庭が一律に相当の金銭負担のある教材購入や行事はできなくなりつつあるのが実情のよう。中流神話が崩れてきているのかもしれません。
 
 
  H・R
 さてその後の林間学校の問題の状況は・・・

1. 契約を締結しないで旅行を取り扱うのはルール違反として、旅行会社に対し国土交通省から指導が入りました。
2. 学校としては、家庭裁判所の調停に委ねて法的な見解の中での解決を諮ることにしました。
3. テレビで報道後、視聴者からの反響が大きかったため先月再度報道されました。
番組では、多くのお母さんたちの経験談や元旅行業者社員のインタビューなどで学校と事業者の関係について生々しい証言が放送されました。第3弾も予定されており、この問題の反響の大きさが伺えます。
インターネットで、簡単に情報が手に入るこの時代、皆様も学校でかかる金についても時々はネットを使ってチェックしてみては如何でしょうか。私たち親がまずは「関心」を持つこと、今回の事件はそれこそがトラブル回避の最大の防衛策だということを教えてくれました。
 


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