お金のしつけ その1
 お金に関する事で、最近苦い経験をしました。

 一つ目は娘の事です。

 中一の娘は以前からお金の管理が甘く、小遣い帳も3日坊主のため、決まったお小遣いをあげてはいませんでした。しかし先日、義母からびっくりするような相談がありました。

「これを見て」と差し出された娘の財布の中には、千円札と小銭がびっしり。「どこからこんなお金…」と二人、不安そうに顔を見合わせました。ここで、「ハッ」と思い当たることがありました。実は先日、買い物をしたとき、当然あると思っていた金額が財布の中に無くて買えず、品物を置いてきたことがあったのです。そのときは気にとめませんでしたが、あわてて財布を取り出して確かめると、残っているはずの数千円が消えているのです。義母も「実は私も最近、500円玉がなくなっているんだよ」と言います。

 娘は何か特別に欲しいものがあるわけでもないのにどうしたことだろう、ストレスがたまっているのだろうか、性癖だったらどうしたものだろう、と二人で悩みました。

 そこで、娘が帰宅してから問い詰めました。最初は「知らない」「どうして私だと決め付けるの」ととぼけていた娘も、一つ一つ証拠を出していくと黙ってしまいました。そうしてやっと口にした言葉が「私かもしれない」です。このあざとさに私は怒りというより、情けなさを感じて呆然としてしまいました。娘もただならぬ雰囲気を感じたらしく「ごめんなさい」と謝りました。もちろん、私の数千円は返させ、義母にも謝罪の上、返金させました。

 調べてみると、娘の手元には中学の入学祝も含め、5万円ほどの現金がありました。お祝いの現金をずっと貯金せずに置きっぱなしにしていた私もいけなかったと思います。祖父母も含めた大人たちも現金の管理が甘かったと言えるでしょう。結局、誰が娘にいくらあげていたのか、娘が誰の財布からいくら持っていったのかはわかっていません。 

 娘には当座の小遣い数千円を残して全額貯金させました。小遣い帳もしっかりつけさせています。先日娘と歩いていたら「ママ、私はお金が無かったときのほうが幸せだった。お金を持つようになったら、もっともっと欲しくなった。買いたいものがある訳でもないのに」とポツリと話してくれました。 (続く)
(あきあかね)



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